ズキズキする頭痛で目が覚めると、つらい一日の始まりになります。頭痛が続くと、仕事に集中することも、大切な人との時間を楽しむことも、ただ一日を過ごすことさえも難しくなるかもしれません。
頭痛が主に朝に起こるなら、それは睡眠時無呼吸症候群の症状かもしれません。睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が何度も止まったり再開したりする疾患です。こうした呼吸の中断によって酸素レベルが低下し、頻繁な頭痛を引き起こすことがあります。² 朝の頭痛と睡眠時無呼吸症候群のつながりを理解することは、何が症状の原因になっている可能性があるのかを知るための大切な第一歩です。
睡眠の問題に関連する頭痛は、原因によって感じ方が異なることがあります。睡眠時無呼吸症候群では、頭痛はよくみられる訴えのひとつであり、通常は朝に起こります¹ ⁶。 頭の両側が圧迫される感覚のものが多く、頭がぼんやりしたり、疲労感や集中力不足を伴ったりすることもあります。
睡眠時無呼吸症候群に関連する頭痛は、睡眠中に呼吸が止まることで起こる酸素不足によって生じると考えられています。睡眠時無呼吸症候群は朝の頭痛のほかにも、群発頭痛、緊張型頭痛、さらには片頭痛(激しくズキズキする頭痛で、光や音に対する過敏、吐き気を伴うことが多い)を引き起こすこともあります²²。 睡眠時無呼吸症候群と診断されて治療を受けると、朝の頭痛が減ったことを実感できる場合があります⁸。
睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸が何度も止まったり再開したりします²³。 これによって、体が十分な酸素を得にくくなります。通常の睡眠では、血中酸素濃度の平均値は 96% 程度ですが、睡眠時無呼吸症候群のある人ではこの数値が大きく低下し、ときには 88% を下回 ることもあります³。 酸素レベルが低下すると、次のような身体反応が起こります。
頭痛の痛みの感じ方にはいくつか種類があり、その違いを理解することで、自分の頭痛のタイプを判断する助けになります。睡眠時無呼吸症候群は、常に頭痛を引き起こすとは限りませんが、以下のような頭痛と関連があることがわかっています¹。
。比較的まれなタイプの頭痛で、非常に強い痛みが数週間から数か月にわたり群発します。睡眠時無呼吸症候群と群発頭痛の関係についての研究は限られていますが、関連を示す証拠もあります⁷。
頭痛は、睡眠時無呼吸症候群のある人によくみられる症状です。睡眠時無呼吸症候群のある人のおよそ 3 人に 1 人が頭痛を経験するという研究結果があり¹ 、 両者が深く関係している可能性を示しています。
睡眠時無呼吸症候群により頭痛が起こりやすくなる要因としては、年齢、性別、体重、強いス トレスなどがあります⁸ 。こうした要因によって、頭痛が起こる可能性が高まったり、頻度や症状が悪化したりすることがあります。
たとえば、体重過多や肥満の人では、気道が狭まったり炎症が増えたりするため、睡眠時無呼吸症候群と頭痛のリスクが高くなることがあります。さらに、筋骨格系の病気、高血圧、心臓病、甲状腺の病気があると、朝の頭痛が起きやすい傾向があります⁹。
睡眠時無呼吸症候群があると、頭痛が起きやすくなります⁷。 ただし、普通の頭痛とあまり違わないことが多いため、睡眠時無呼吸症候群の症状だと気づかない人も多いです。
睡眠時無呼吸症候群による頭痛とほかの種類の頭痛には、以下のような違いがあります²⁵。
睡眠時無呼吸症候群の症状であることが疑われる頭痛がある場合、医師に相談することが大切です。医師はまず、睡眠時無呼吸症候群のリスクを評価するために、いくつか質問をします。
睡眠時無呼吸症候群のリスクがあると判断された場合、個々の状況に応じて、医療従事者はさらなる評価を検討する場合があります。 睡眠検査は、単に睡眠時無呼吸症候群を診断するためだけのものではなく、睡眠中の血中酸素レベル 、心拍数、脳波、呼吸パターンなどの情報を集めることで、健康状態をよりよく把握する助けになります。
睡眠検査の実施方法は、状況に応じて違う形式で行われます。60〜70% は在宅検査で、自宅のベッドで眠りながら睡眠パターンを測定する機器を使って行われます。病歴がより複雑で、包括的な睡眠モニタリングが役立つ可能性がある場合には、検査室で行う睡眠検査を勧められることもあります。入院検査は通常、検査室で一晩かけて行われ、訓練を受けた技師が睡眠を観察します。
睡眠検査で記録される情報には、次のようなものがあります。
無呼吸低呼吸指数(AHI)。AHI は睡眠検査の重要な指標で、1 時間あたりに呼吸が止 まる回数(無呼吸)や、非常に浅くなる回数(低呼吸)を数えます。AHI の値によって睡眠時無呼吸症候群の重症度が決まります。1 時間あたり 5 回未満は正常、5〜15 回は軽症、15〜30 回は中等症、30 回を超える場合は重症です¹⁰。
睡眠時無呼吸症候群と頭痛の関連を示す研究結果は増えています。睡眠時無呼吸症候群のある人は、頭痛や片頭痛が起こる頻度が高まる可能性が示されています⁷。
脳画像を用いた研究では、片頭痛のある人は、片頭痛のない人と比べて脳の構造や機能に違いがある可能性が示されています。さらに、慢性的な片頭痛のある人は睡眠時無呼吸症候群がある可能性が高いともされています¹²。
CPAP 療法がどのように心臓の健康を支えるのかを詳しく理解するため、睡眠時無呼吸症候群のバイオマーカーを調べる研究も行われています¹³。 バイオマーカーとは、血液や体の中にあり、健康状態や体の異常を示すものです。また、遺伝による睡眠時無呼吸症候群、心疾患、片頭痛の発症リスクを探る研究も行われています。
睡眠時無呼吸症候群を治療することで、頭痛の症状が軽くなる可能性があります。これまでの研究では、睡眠時無呼吸症候群のある成人が CPAP 療法を始めると、朝の頭痛や片頭痛の頻度が減る場合があることが示されています。ある研究では、重度の睡眠時無呼吸症候群のある人の 72% が、CPAP 療法により朝の頭痛が改善したと報告しました¹⁴。
持続陽圧呼吸療法(CPAP睡眠時無呼吸症候群の管理に用いられる効果的な治療法の一つであり ²⁶、 朝の頭痛を減らし、片頭痛の症状を改善できることもあります⁸ 。CPAP 療法は、睡眠中に装着するマスクを通して一定の圧力で空気を送り続けることで、睡眠時無呼吸症候群のある人が一晩中安定して呼吸できるようにするものです。
CPAP によって一定した空気の流れを保つことで、酸素レベルを安定させ、睡眠の中断を減らすことができます。CPAP 療法で期待できる利点や結果としては、次のようなものがあります。
この記事は情報提供のみを目的としたものであり、医療機関による医学的なアドバイスに代わるものではありません。頭痛や片頭痛が続く場合は医師に相談し、診断と治療を受けてください。
あなた自身や身近な人が、頭痛とともに目覚めることがよくある場合、それは睡眠時無呼吸症候群の症状かもしれません。睡眠セルフチェックを受けて、自分の睡眠について詳しく知りましょう。
この記事は一般的な情報提供のみを目的としており、医学的アドバイスや特定の製品または治療法の宣伝を意図するものではありません。