睡眠時無呼吸の治療をすることで生活の質が大きく向上します。
よく眠れるようになって活力が増し、健やかな毎日を過ごせるようになるでしょう。
ただCPAP治療を始めたばかりのときには、マスクの装着感に慣れず、少し不快に感じることがあるかもしれません。
すぐに慣れなくても心配する必要はありませんが、CPAPの圧やマスクの違和感で寝付きにくい方は以下の方法をお試しください。
昼間に短時間だけCPAP装置を使ってみてください。
TVを見たり本を読むなどのリラックス時に使用すると、調整が必要になっても対応しやすいでしょう。
装置の設定は、治療を担当する医師や専門家があなたの睡眠時無呼吸の状態に応じて適宜調整します。
マスクや加湿器の装着感に関しては、ご自身で微調整し快適に使用していただけます。
CPAPマスクがぴったり合っていないと、治療の効果が見込めなくなります。また就寝の際、寝つくのが難しくなることがあります。
治療の前に昼間、マスクを装着してみてください。
隙間なく密着させつつも、不快感のないようマスクを微調整します。
調整は鏡の前で、ご自身の姿を確認しながらするようにしましょう。
調整が終わったら、横になって装置をオンにします。
横になると顔の輪郭が少し変化するので、必ず横になってみてください。
睡眠時無呼吸の治療機器に「マスク テストモード」がある場合は、その機能を使いマスクをテストしてみてください。
マスクが大きすぎると、ヘッドギアのストラップをきつく締めてマスクを固定する必要があり、不快感の原因になります。
逆にマスクが小さすぎる場合は充分密着できておらず、漏れた空気が目に当たり、不快に感じることがあります。
このような場合には、担当医または在宅医療会社に相談しましょう。
CPAP装置を使い続けるために重要なのは、良い習慣を形成し継続すること、そして快適に過ごすことです。次に治療に慣れ、よく眠れるようになるためのコツを紹介します。
以下のポイントを少し見直すだけでも、快適に眠れるようになります。
人間の体内時計は、体が眠りに入る準備ができるとその合図を出します。それを逃さず聞き取るようにしましょう。
疲れを感じていないのに就寝しようとすると、睡眠に向けて頭を切り替えられなくなることがあります。
そこにCPAP装置のような不慣れなものが加わると、脳がマスクや装置のことを考え始めるため、ますます眠れなくなります。
就寝時刻が近づいてきたのに疲れを感じていない場合は、布団に入る時間を少し遅らせてみましょう。リラックスできそうなことを試してみてください。
落ち着かない、興奮している、心配している、などの精神状態のときには、すぐに眠りにつくことは難しいですね。
それに治療の装置とマスクを加えると、眠るのが不可能に思えてきます。
仕事をしたり、問題について感情的に話し合うなどのストレスにつながる活動は控えてください。
このような活動は、コルチゾールというストレスホルモンの分泌を促すため、覚醒度が高くなります。
寝床で考えごとをしがちな人は、その内容を書き出しておいて、いったん忘れましょう。4
就寝する準備ができ、マスクを装着したら、装置を起動します。
装置から送られる空気圧が高すぎて眠れなさそうだと感じたら、「ランプモード」を使用します。
一部の装置では、自動圧ランプ設定(Smart Ramp機能)を利用できます。この設定をオンにすると、設定された圧力よりも低い圧力から始まり、眠りに落ちるまで圧力が上昇しません。
お持ちの装置の種類を確認し、眠りに入る前に空気圧が上昇してしまう場合は、ランプ時間の調整について、担当医または在宅医療会社にご相談ください。
CPAPマスクは毎日の使用が望ましいとされていますが、1日4時間以上・週5日程度の使用でも効果が期待できます。ですので、使い始めは無理をせずゆっくり慣れていきましょう。
今回ご紹介した対策を実践し、CPAP療法の効果を少しずつ感じてみてください。
CPAP療法を適切に行うと、日中の活力が戻る、集中力が向上する、好きなことに打ち込めるようになるなど、日々の生活に多くの恩恵をもたらします。