「私の家系では閉塞性睡眠時無呼吸を持っている人が多いです。これって遺伝しているのでしょうか?」よく聞かれる質問ですが、実ははっきりとした答えはありません。
まず知っておきたいのは、閉塞性睡眠時無呼吸はさまざまな状況で誰にでも起こりえるということです。多くの人、男性に限らず女性でも、また大人だけでなく子供でも、睡眠時無呼吸になる可能性があります。ですから睡眠時無呼吸は一般的な睡眠障害の一つです1。
睡眠時無呼吸を発症しやすい人について考える前に、閉塞性睡眠時無呼吸がどのように起こるかを理解することは大切です。
閉塞性睡眠時無呼吸を持つ人の多くは大きないびきをかき、寝ている間に呼吸が止まってしまいます2。そして質の悪い睡眠の結果、日中に強い眠気を感じると訴えます。
閉塞性睡眠時無呼吸は、寝ている間に気道の全部または一部が塞がり、呼吸が妨げられる状態のことです。これは通常、呼吸の際に、喉周辺の軟組織が潰れることで起こります。
閉塞性睡眠時無呼吸の人は、寝ている間に何度も呼吸が止まり、一晩に数百回止まる人もいます。そしてほとんどの場合、本人はそれに気づいていません3 。
閉塞性睡眠時無呼吸は気道が塞がれることによって起こるため、家族と似た顔や頭蓋骨の形が発症リスクに関係している可能性があります。
つまり、親戚同士の顔が似ているのと同様、閉塞性睡眠時無呼吸を起こしやすい頭の構造を共有している可能性があるのです。
このことは、家族歴が閉塞性睡眠時無呼吸の可能性を示す指標であり、家族に閉塞性睡眠時無呼吸の発症者がいる人の25~40%が同じ症状を持つという、研究結果によって裏付けられています5 。
いびきをかいている、睡眠中に息が止まっていると誰かから教えてもらうまで睡眠時無呼吸を発症しているかもしれない、と疑ってみることはないかもしれません。
ですが、家族に閉塞性睡眠時無呼吸症候群の人がいる場合は、積極的に睡眠障害のリスクがあるかどうかを調べ、治療を受ける方法を知っておくことは大切です。
なぜ呼吸が安定しないと 睡眠障害が起きるのか? ご自身の生活の中で、プレッシャーや期待が高まる瞬間を思い浮かべてみてください。たとえば仕事の面接。家を出る前に家族から、「とにかく深呼吸しなさい。気持ちが落ち着くから」と言われませんか? 長い間大事にされてきた呼吸法が、実はリラクゼーションだけでなく、健康のカギを握っていることに、多くの人は気づいていません。1 ですが閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)が睡眠中の適切な呼吸を妨げる静かな障壁となっている人は、とても多いのです。2 この記事では、呼吸が私たちの健康にもたらす恩恵と、睡眠との関係について見ていきたいと思います。 見落とされていた呼吸法の再発見 呼吸法は生命を維持するのに役立ちますが、時代とともに見失われつつあります。 古代文化では、精神的な明晰さを高め、ストレスを軽減し、リラクゼーションを促進する可能性があるとして、長い間、呼吸のコントロールが重視されてきました.3 たとえばヨガの呼吸法(プラナヤマ)はインドで生まれ、少なくとも紀元前3000年頃から存在していたと考えられています。4 現代の慌ただしい生活の中で、私たちはしばしば呼吸を当たり前のこととして実践しています。そして興奮したりパニックに陥ったときに、深い呼吸が落ち着きをもたらし、状況を把握できることを思い出すのです。 意識的な呼吸法は、ストレスや不安のレベルを下げるという研究結果もあります。5 呼吸の力を活用する方法を学ぶことで、リラクゼーションの効果を引き出し、幸福感を高めることができるかもしれません。 良い呼吸が睡眠に重要な理由 呼吸は、私たちの体が機能するのに必要な酸素を得る手段です。また、老廃物である二酸化炭素を排出する働きもあります。6 ですが睡眠中に十分な呼吸ができていないと、酸素と二酸化炭素のバランスが崩れてしまいます。 無呼吸(呼吸の一時停止)になると、血液中の酸素濃度が低下し、二酸化炭素が増加します。7 これにより心臓の働きが悪くなり、血圧や心拍数が上昇します。7 睡眠中の長い呼吸の休止は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と呼ばれています。これは睡眠中に上気道が部分的または完全に塞がれることで起こります。7 無呼吸の間、脳は酸素レベルの低下を検知し、呼吸を再開させるために睡眠から短時間覚醒させることで反応します。 その結果睡眠が分断され、常に疲労を感じ、日中に眠気を感じるようになるのです。7 睡眠時無呼吸が健康に及ぼす影響 息を呑むほど感動的な体験をしたことがありますか? 私たちはみんな、人生の息を呑むような瞬間に酔いしれたいと思っているのでは。ですが睡眠時無呼吸で文字通り息を呑んでしまうと、疲労感が残り、日中集中できない状態が起きてしまいます。2 また睡眠時無呼は、記憶力の低下やイライラなどの気分の変化、さらにさまざまな合併症にも関連しています。2
夜寝る前にお酒を飲む、という方は多いですよね。アルコールを摂取すると、リラックスできる反面、さまざまな悪影響を体に及ぼします。睡眠の質が下がってしまうのもその一つです。睡眠改善のため、しばらく飲酒をお休みしてみませんか。
夜、眠れずにベッドで寝返りを打つことが多くありませんか?
必要な睡眠がとれない原因が何であれ、睡眠不足はわたしたちが考えるより、健康や生活に大きな影響を与えます。