禁煙を始めると、夜よく眠れなくなることがあります。これはニコチンの離脱症状の一つで、それまで身体に摂取していたニコチンが不足することで起こります1。
他にあらわれる離脱症状は人によってさまざまですが、以下の症状がよくみられます。
このような症状が続いている場合には、不眠症2に至るおそれがあり、禁煙がいっそう難しくなります。禁煙中に不眠症の症状に気づいた場合には、不快感を軽減し質の良い眠りを取り戻すために、以下の対処法を試してみてください。
気分をリラックスさせる
ストレスや不安を感じているときや、タバコを吸いたい気持ちが強くなっているときは、心がリラックスしておらず、ぐっすり眠れるような余裕がない状態です。
そんなときは、就寝前にリラックスにつながる簡単な深呼吸エクササイズをやってみましょう。部屋を暗くして座ったら、自分の呼吸に集中して、5秒かけて息を吸います。そして、息を5秒止めた後、5秒かけて吐き出します。これを心が落ち着いてくるまで何度も繰り返します。
このエクササイズでリラックスして気分を落ち着けると、よく眠れるようになることがあります。
マッサージを受ける
リラックスするための方法としては他に、就寝前のマッサージがあります。 進んでマッサージをしてくれるパートナーがいれば、お願いしてみましょう。マッサージはストレスの解消を促し、心地よい眠りに誘います。
身体を動かす
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を習慣にしましょう。朝の短いヨガやラジオ体操、ランチの後に散歩をしたり、帰宅時に一駅歩くなど工夫をしてみてください。
特定の食べ物や飲み物を試す
寝る前に温かい牛乳を飲むと眠りやすくなります。温かい牛乳にはL-トリプトファンというアミノ酸が含まれており、このアミノ酸は睡眠ホルモンであるメラトニンの前駆物質で、体内でのメラトニンの分泌を促します。夜になると、メラトニンの作用によって体が休息状態に入り、入眠しやすくなります3。
L-トリプトファンを含む食べ物には、他にも鶏肉や七面鳥、魚、貝、卵、豆腐、ヒマワリの種などがあります。牛乳の代わりにこれらの食品を試してみてもよいでしょう。
医師に相談する
これらの方法を試しても禁煙中の不眠が解消しない場合は、医療の専門家またはかかりつけ医に相談してみましょう。薬剤が処方されることもあれば、不眠症の効果的な治療法の1つ、認知行動療法(CBT-i)を提供できる心理療法士に紹介してもらえることもあります。
睡眠障害や不眠症などの離脱症状がでると、「タバコをやめるのは簡単ではないかも」と諦めの気持ちが出てくるかもしれません4。
ですが、タバコの害と健康への影響はかなり大きく、肺がんをはじめ多くのがんや慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器の疾患を引き起こします。禁煙すると、身体はタバコによるダメージを修復する機能を開始します。禁煙を続けると、以下のさまざまな病気のリスクが軽減します。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、たばこ病とも呼ばれます。
また、他人の喫煙により発生した煙を吸わされることを受動喫煙といいます。タバコの先から出る「副流煙」のほうが喫煙者の吸う「主流煙」より有害物質が多いことがわかっています。
大切なパートナーや家族、特に小さい子どもたちを受動喫煙から守るためにも、禁煙に取り組み、依存から抜け出しましょう。
今回私たちは、健康エキスパートであるスポーツ栄養士のジェス・スペンドローブにインタビューをし、栄養と睡眠の関連性についてお伺いしました。健康にとって重要な2つの側面について、これまで分かってきたことをご紹介します。
人間関係、家族、金銭的なこと、そして仕事は、長期的な悩みの種になることが多いですよね。
仕事は私たちの最大のストレス要因の一つであり、日本では半数以上の社員が “燃え尽き症候群 “を経験しているという調査結果もあります。